日本一の靴売場(その2) [伊勢丹]
年配の男性スタッフが近づいてくる。「今シーズンは、こちらが良く出ております」と示したカシミアのセーター…約26万円! つい「え"…この価格で“良く出る”んですか?!」と本性が出てしまった。「BRUNELLO CUCINELLI/ブルネロ・クチネリ」というイタリアのニットメーカーの製品である。

こちらのリアクションに、スタッフは「確かに、スーツ1着のお値段ですからねえ」と。待ていっ!スーツだってそんな高いのなんか持ってないよ!
もう「今年は(今年も)穴が空いたセーターで過ごそう」という気分になり、セーターは断念。
気をとりなおして地下1階・“日本一の靴売場”へ。靴磨きのクリーナーとクリームを補給するためである。実は、買ってから一度も磨いていない靴がありまして。靴の色に合うクリームが無かったから…言い訳にしかならないが。無精なだけです、はい。
実際に“その靴”を履いて行ったので、足元を指して「これに合う色のクリームが欲しいんですが」とスタッフに声をかける。
結論から言うと、クリーナーとクリームの2点、1,575円のお買い物をした。こちらからすれば「ドンキで買えば1,000円以下でおさまったかな」という贅沢な金額であるが、スタッフから見たら1,575円なんてどうでもいいような金額であろう。何たってン十万円もするような靴を扱っている売場なんだから。
しかし! このスタッフはしゃがみ込んで靴をしげしげと眺め「この先、どんな感じになさりたいですか? この色を保つということでしたら明るめの色のクリームが無難ですが、ちょっとクラシカルな感じになさるなら、濃い目のクリームと明るめのクリームをお使いいただいて…」などと丁寧なアドバイスをしてくれた上で、いくつかの色のクリームを出しては引っ込め出しては引っ込めを繰り返しながらこの靴に合ったものを探し出してくれたのだ。さらに靴談義で盛り上がる。1,575円の客に20分以上の時間をかけてくれた。いや、お見事。
またしても日本一の靴売場の神髄を見た気がする。
まあ、そもそもこの靴、伊勢丹が「GRENSON/グレンソン」に別注をかけたというヤツだったので、そこらへんも含めて“足元を見られた”のかもしれないが。
で、ちゃんと磨きましたよ〜。

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